ワクチン接種
_____インフルエンザワクチンの接種をしに行ったのはもう一年も前か___
もう大学生かと聞く昔からの知り合いの医者に
私は_一応_大学生です__とだけ答える。
何かを察した医者は_それ以上_何も詮索せずに注射の準備に取り掛かる___
先程まで快適だった__この暖かい空間が嫌になり
早く_あの凍りつくような_風が吹く__外に出たいと思った。
服を捲り上げ_腕を出す_____消毒液に濡れた皮膚に針が突き刺さる___
一年前も前に_この痛みを感じた自分が存在したとは想像できない程___
時は早く_残酷に過ぎ去っているのだ__
案外_人生とは__早く終わりが来るものなのかもしれない____
ならば_さっさと本当の_大学生になりたい_____
そう思った浪人の冬であった__